巻き爪で悩む人に

巻爪(陥入爪)
 爪が皮膚に食い込んでいく症状のことをいい、巻き爪の症状が悪化すると、爪がどんどん皮膚に食い込みその部分が化膿・炎症を起こし歩くのが困難になることもあります。
原因は きつい靴を続ける、爪の切り方が悪い、つま先に過度の力がかかり続ける(靴やスポーツ、姿勢)、遺伝など。
軽度の場合は爪の角にコットンを挿入したり、爪の切り方で治ることもあります。
高度な場合、最近ではワイヤーやプレートを使った爪の矯正が治療の中心ですが、残念ながら保険適応にはなっていません。

手の整形外科

手をいつも快適に

 手の整形外科とは手・指・腕・肘の様々な病気を扱う分野ですが、細かく見ると多くの疾患や怪我や病態があります。場合によって、手の問題ではなく手を操作している脳の神経や感覚神経の問題であったりもします。

 手で何かを「持つ」「握る」「つまむ」「はさむ」「叩く」「触れる」「当てる」「回す」「払う」「絞る」「捻じる」「撫でる」「振る」・・・・などなど、手の動作や手の仕草に関する言葉は何百種類もあります。私たちの動作は具体的な行動から気持ちを伝える仕草、メッセージまでその範囲はとても広いですね。人類の進歩は手なくしてなかったといえるぐらいです。

 手が快適に使えないというのは、生活において大きな障害となります。手がうまく使えない原因、手頸や手や指が「腫れ」「しびれ」「痛み」「膠着」「動かない」こんな問題をお持ちの患者さんたちに答えるのが「手の整形外科」という分野です。もし、手がスムーズに使えない何かの症状があるとき、その原因を調べ治療し、本来の健康的な手にもどすお手伝いをするのが、手の整形外科なのです。

骨粗鬆(こつそしょう)

骨粗鬆症
骨粗鬆症は骨量が減少する病態です。特に女性は閉経後に急に骨量が減少します。
骨粗鬆症になると背骨の圧迫骨折、転倒時に股関節や手首の骨折が起こりやすくなります。
特に背骨の圧迫骨折、股関節の骨折は寝たきりの原因になります。
薬や注射による治療を継続することにより、骨粗鬆症による骨折をおこりにくくすることができます。もちろん、適度な運動をする、カルシウムを多く含む食事を心がけることも必要です。

膝が痛む?変形性ひざ関節症?

女性の比率が高いのですが、初めのうちは軽いひざ痛です。立ち上がるときや歩きはじめとか動く動作の開始時に膝の内側が痛かったり、全体に痛みを感じるのです。もし、自覚症状があったらすぐ検査してください。
進行すると座るときや階段の昇降時にも痛み、末期になると安静時にも慢性的に痛みが生じ、膝の変形とかも現れます。
40歳以上で膝の痛みを訴える人の多くは変形性膝関節症が原因といわれています。
膝関節は大腿骨と脛骨をつなぐ関節で骨の表面は軟骨で覆われています。この軟骨が様々な原因で負荷がかかって磨り減り、骨が変形した状態を変形性膝関節症といいます。
水がたまる事もよく見られます。

予防が大切で、ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える。正座をさける。肥満であれば減量する。(運動不足は大敵です)膝を冷やさず、温めて血行を良くすることを心がけましょう。

治療法として薬物療法(内服薬・外用薬)、注射、装具療法、進行した変形性膝関節症に対しては手術も行われますが、一番大事なことは運動療法です。自宅でできる簡単な運動も含め、継続して続けることが必要です。

リウマチとはどんな病気?

リウマチ(関節リウマチ)

リウマチ(関節リウマチ)
リウマチは膠原病(こうげんびょう)の一種で関節に慢性の炎症を起こす病気です。
もし、朝起きて30分ぐらの間、身支度や朝食の準備などで、手や指のこわばりを感じたら、リウマチ初期症状かもしれません。日中や夜間は落ち着くので、気づきにくい症状です。ですので早期発見、早期治療が大切です。

発病すると手や指の関節の腫れや痛み、関節の明らかなこわばり感などの症状がみられます。手指に症状がなく膝や股関節の大きな関節にもみられます。

リウマチでは最初に関節を包む滑膜という膜に炎症がおこり、滑膜に炎症がおこると厚みを増し、関節の腫れと痛みが生じます。進行すると関節の骨や軟骨をも壊していき、日常生活に支障がでてきます。
治療は薬物療法が中心です。最近は薬の進歩で効果的なお薬がたくさんあります。
進行したリウマチに対しては手術も行われます。

関節リウマチは免疫システムが正常に働かなくなり、自身の身体を攻撃してしまうという自己免疫疾患のひとつと言われています。逆に、自己免疫疾患が起きにくい生活が大切になりますね。喫煙や飽和脂肪酸の取りすぎ(バターやマーガリンよりオリーブオイル)やストレスなどは危険因子になります。魚をたくさん食べたほうがリウマチの発症が少なかったという論文もあります。

整形外科で診る詳しい症状は?

何の病気かわからないけど、痛みや腫れや張りがある。なにか病気の兆候があるというときはこんな症状があります。
○首の病気
原因なく首や背中が痛くなった。
痛くて首が動かない。
腕がしびれる。
交通事故で首が痛くなった。
○胸の病気
転倒して胸を打った
体を動かした時や深呼吸や咳をした時に胸が痛い
○肩の病気
肩が痛くて動きづらい。
夜に肩が痛くて眠れない。
スポーツで肩を痛めた

○肘の病気
肘を動かすと痛い。
ものを持った時、力を入れたときなどに痛む
小指や薬指がしびれる。

○手の病気
手をついて転んだ。
朝起きると手指がこわばる
無理に指を伸ばそうとすると、指に引っかかり感がある
指の関節が腫れて、変形してきた
手指がしびれる。

○腰の病気
中腰での作業や転倒の後に、急に腰が痛くなった
ぎっくり腰・慢性的な腰
最近、背が縮んだ
歩くとだんだん脚や腰が痛くなり、休むと楽になる。
脚が痛む
○股の病気
股関節が痛い
子供の頃に股関節の病気をした事がある、
股の開きが悪い
転倒してから、股や大腿部が痛くて歩けない
○膝の病気
膝が痛くて歩きづらい。
膝が完全に伸びない、最近O脚になってきた
膝の曲げ伸ばしがしづらくなった。膝が腫れている。
正座ができない
スポーツ中・スポーツ後に痛みがある。
○足の病気
足首をひねった
親ゆびの付け根がはれている
起床時や歩行時に踵が痛い。
足の裏が痛い。

スポーツの怪我はRICE

スポーツなどで怪我をしたら

R 安静 木の板などでけがした部位を出来るだけ動かさないようにしましょう。

I 冷却 氷や保冷剤などの冷たいもので冷やしましょう。

このとき湿布は使わない。
(湿布によって、血の循環がよくなり、腫れがひどくなることがあります)

C 圧迫 包帯などで圧迫しましょう。

E 高挙 なるべく心臓より、怪我した部位を高く挙げます。

けが直後から48時間以内、特に24時間は上記・RICEが大切です。

痛みとは

お医者さんへ行くときは、痛い!腫れた!青くなった!赤くなった!熱い!血が出た!といったことが尋常じゃない時にいきます。
しかし、痛みってなんでしょうか?

専門家には、国際疼痛学会という学会があって痛みは〝痛みは不快な感覚かつ情動体験である〟と定義されています。
〝痛い〟と感じる感覚と〝痛みを深い・つらい〟と感じる感情の両方をあわせて痛みと考えます。痛みは目に見えるのものではなく測定もできないものです。
失恋の痛み!といった病気じゃないですよという痛みまでありますから。

しかし、痛むという事は何かそこ問題があるという心身のサインでもあります。
何故、痛むのか?しっかり原因を探る事も必要です。

痛みの治療では原因にアプローチするが大事です。一方で原因が定でない痛みが多いのも悩ましいですね。

痛みには大きく分けて三つに分類されます。

1 侵害受容性疼痛 怪我をしたときなど、刺激や炎症による痛み

2 神経障害性疼痛 何らかの原因によって神経に障害が起こり神経の異常な働きによってひきおこされる痛み。

3 心因性疼痛 原因が特定できない、不安やストレス、心理的要因などで生じる痛み。

痛みの原因や症状は複雑ではっきりと分類するのは難しく混合型も多いので、痛みが続く場合、痛みが激しい場合、痛み以外の症状(色の変化・腫れや形の変化・熱や冷え等)が伴う場合はとにかくお医者さんに相談したほうがよいです。